目次
はじめに
Mindfulnessと脳波は、とても深く関わっています。
Mindfulnessを行うと、どのような脳波になるのか?また、どのような効果が得られるのか?
今回はその関係性について、お話します。(※脳波とは脳の状態を周波数で表しています。)
まず、代表的な4つの脳波を紹介します。
【ベータ波】
ベータ波とは、普段起きて生活している時の脳波です。
外部からの情報処理時や緊張・不安を感じているときに測定されます。
【アルファ波】
アルファ波は、集中力が高い時の脳波です。
集中はしているのですがリラックスしている状態です。
スポーツでは、フロー状態やゾーン状態などとも言われます。
ボールが止まって見えるなど、常識を超越した高い集中力を発揮している際に測定されます。
【シータ波】
シータ波は、朝起きた直後や睡眠に入る直前などに測定されます。
意識はボーっとしているが、小鳥のさえずりやキッチンからの音などが聞こえてくる時など
心地の良い状態です。
【デルタ波】
デルタ波は、睡眠中(熟睡中)や意識が無い状態の時に測定される脳波です。
【ベータ波】を抑えるMindfulness
次に、Mindfulnessで【ベータ波】を抑え、脳を休ませる方法をご紹介します。
私たちの脳には、デフォルト・モード・ネットワークと言われる内側前頭前野・後帯状皮質・下頭頂小葉など、複数の脳の部位から構成される脳回路が存在します。
デフォルト・モード・ネットワークは、脳が意識的・無意識問わずに働いています。
つまり、集中していない状態でも常に働き続けているのです。
この状態が続くと、脳は沢山のエネルギーを消費し、疲労してしまいます。
そのため、私たちの脳はデフォルト・モード・ネットワークの活動を抑える必要があるのです。
しかし、ただ何も考えずにボーっとしていてもベータ波やデフォルト・モード・ネットワークは働き続けてしまいます。
意図的に脳を休める1つの方法としてMindfulnessが有効的です。
呼吸に意識を集中させるMindfulnessを行う事により、ベータ波やデフォルト・モード・ネットワークの活動・働きを抑え、脳の過剰なエネルギー消費を抑える効果が期待できます。
Mindfulnessの研究者である、米マサチューセッツ大学メディカルスクールのジャドソン・ブルワー准教授の報告でも、10年以上の瞑想経験者がMindfulnessを実践している時の脳活動を測定すると、デフォルト・モード・ネットワークを構成する部位の活動が低下していることが観察されました。
つまり、脳の疲労原因である雑念回路の過剰活動がMindfulnessにより抑えられたという強力なエビデンスになります。※書籍「最高の休息法」より抜粋
姿勢を正し、ただ呼吸に意識を集中させる「Mindfulness呼吸法」を習慣化し、脳を休息させる時間を作りましょう。
【アルファ波】を引き出すMindfulness
ここからは【アルファ波】を引き出す方法をご紹介します。
アルファ波は、集中モード・フロー状態・ゾーン状態になると言われているのですが、実はリラックスした時にでる脳波のことなのです。リラックスしながら集中することが出来るため、ストレス軽減や、仕事や勉強の効率・生産性を高める効果があります。 意図的にこのアルファ波を出すことができれば、いつでも集中力を高めることができます。
これから、アルファ波を引き出す方法を5つ紹介します。
自然の音に意識を集中させる。
自然の音には、1/fゆらぎというものがあります。
1/fゆらぎとは、規則性と不規則性が混じりあったものであり、自然界の音にはこの1/fゆらぎが
含まれていることから、リラックス効果が期待できます。
また、歌を聴いていて感動した経験はあるでしょうか?
多くの人に感動を与える歌手も、この1/fゆらぎの声を持っているからだといわれています。
自然の音に意識を集中させるには、自然の中へ実際に行くのが一番なのですが
なかなか難しいと思います。
ネット環境が整った現在では、動画サイトより【アルファ波】や【1/fゆらぎ】と調べると、自然の音を聴くことができるので、試してみて下さい。
動画サイトの音を調べる際は、人の歌声や楽器の音が無く単調で大きなリズムやテンポに大きな変化がないものを聞いてみましょう。
自然の音に意識を向ける際は、集中→雑念→気づき→戻す→集中...と
Mindfulnessの流れに沿って行いましょう。
湯船に浸かる
湯船に浸かると血行が促進され、体温が上昇します。
体温が上がることにより自律神経が整い、副交感神経が優位になります。
副交感神経が優位になることで、アルファ波を引き出しリラックス効果が期待できるのです。
湯船の温度が高すぎると交感神経が優位になってしまうため、38~40℃くらいの湯船に浸かりましょう。
温度の変化や身体がお湯に触れる感覚など、その瞬間に意識を集中させます。 お風呂でのリラックス効果を活かし読書などを行うと更に集中して読むことができ、必要な情報が頭に入り易くなります。
目を瞑る
とてもシンプルなのですが、アルファ波は目を瞑るだけでも出るのです。
私たち人間は、外からの情報をほとんど視覚から取り入れています。そのため、目を開けているだけでも多くの情報が入り、常に脳が活性化してしまいます。 逆を言えば、目を瞑ることにより視覚から入る情報を遮断し、情報を処理する働きが休まりリラックスできるのです。日常生活の中で睡眠以外の時間に意識して目を閉じることはほとんどないかもしれませんが、最も簡単にアルファ波引き出す方法が目を瞑るという動作です。
手軽に行える方法なので、脳を少し休めたいときに試してください。
しかし、長時間行うとかえって眠気を感じる恐れがあるのでご注意ください。
歩く(散歩)
ただ歩くだけなのですが、公園や自然があるところで身体を動かすとアルファ波が引き出されます。
何気なく自然の中を歩いているだけで、ふとした考え事や悩みの解決に繋がり、クリエイティブなアイデアが生まれることもあります。 ここでお話しする【歩く】という動作は、リラックス効果を目的としたものなので
都会などの人々が多くいる場所は避けて行いましょう。
また、歩くという動作に集中する【Mindfulness Walking】もおすすめです。
歩いている自身に意識を集中させ、
右足が動いた・左足が動いた・地面から足が離れた・着いた
という具合に、歩く動作1つ1つに意識を向けます。
香りを嗅ぐ
香りの中でも、コーヒーの香りには脳の神経を刺激する物質が含まれており、香りを嗅ぐことでアルファ波がでるとされています。香りを嗅ぐ際は目を閉じ、香りだけに意識を集中させて行いましょう。
以上、5つのアルファ波を引き出す方法を紹介しました。
集中力を高めたいときや、切り替えたいとき、ここぞ!という集中力を引き出したいときに活用してみてください。
【シータ波】を引き出すMindfulnes
次に、心地よい状態に測定される【シータ波】を引き出す方法をご紹介します。
シータ波は、眠りに入る直前やまどろんでいる時・瞑想を行っている際に、脳の大脳皮質の活動が低下することで発生します。また集中している時にもシータ波が発生します。
眠る直前と集中時に発生すると聞くと正反対の状態になりますが、集中していればシータ波が発生するわけではなく、物事を「記憶する」という作業に集中することで発生します。 記憶をする際に脳の奥にある海馬と呼ばれる部分が働き、それによりシータ波を発生させます。
意図的にシータ波を発生させることで、集中力UPや記憶作業に適した状態に導くことが可能になります。また、シータ波を発生させ左脳の機能をあえて低下させることによって、理論的な思考が低下するので自由な発想ができるようになります。それによって創造力UPに繋がるのです。
ここからは、シータ波を引き出す方法を2つ紹介します。
Mindfulness呼吸法
Mindfulness呼吸法を行うことでシータ波の発生を促すことができます。 Mindfulness呼吸法の方法は、
まず胡坐をかいて座ります。
両手は膝の上、手のひらを上下楽な向きに置き、目は閉じるか、うっすらと開き斜め下2mほど先1点に集中します。
そして、腹式呼吸でゆっくりと呼吸をします。
この時お腹の空気を全て吐き出し、一旦息を止めます。
そして空気を吸い込み、息を一旦止めて空気を吐き出します。
この呼吸法を約30回行います。
時間は5分程でも効果が実感できますが、もう少し長く行いたいと感じれば長くしても構いません。
時間が長ければ良いという訳ではなく、集中して呼吸に意識を集中させることが大切です。
Mindfulness呼吸法は、同じタイミング・場所で行うと習慣化されやすいです。
歩く
歩くことでシータ波が増加するとされています。
これは歩く動作によりシータ波が発生するわけではなく、環境の変化によってシータ波の発生が促されるのです。自宅や勤務先を出て歩くことで、突然何かを閃いたり、新しい気づきに出会ったりすることがあります。環境を変えることでシータ波が発生し、閃きや気づきに繋がるのです。
以上、シータ波を引き出す方法を2つご紹介しました。
集中力や創造性を高めたいときや、何かに行き詰った時などに活用してみてください。
最後に
ここまで代表的な4つの脳波についてご紹介しました。
ご自身に合ったMindfulness方法の選択やお悩みの解決などに、
少しでも役立ていただければ幸いです。
Mindfulnessを生活の一部に取り入れ、日常をアクティブにお過ごしください。
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